こんにちは。
埼玉県の注文住宅 新築 リフォームなら「原価で建てる自然素材の家」「外断熱の家」(有)埼玉建築職人会にお任せ下さい。
このところ近所を少し歩いただけでスグに数件見つかるほど「サイディングが変色」しているお宅があります。
そこで原因をいくつか考えてみました。
まず外的要因と内的要因と分けることができますが、「外的要因」から考えてみると、普通に日射による表面劣化やその反対の湿気によるカビなどが考えられます。
問題なのは「内的要因」です。
これは想像するだけでも壁の中を知っているだけに私でもゾッとしてしまいます。
実際に内的要因で変色しているであろう建物は相当数存在すると思いますが、内的要因で変色している場合、全体的ではなく一部分だけなのでスグに見分けがつきます。
北側などでカビで変色しているケースも一部分だけなのですが、それとは明らかに異なる不自然な変色をしているのが「内的要因」によるものです。
ズバリ「内的要因」の原因は【壁体内結露】でしょう。
建物の気密性と断熱性の関係から、建物の性能を考えずに冬季にガンガン暖房してしまうと壁の内外で結露が生じます。
この壁体内結露は、近年の建物にはあまり見られないと思いますが、それもここ数年の話し。
以前は今ほど断熱性が重視されていませんでした。
窓ガラスにしてもLOW-E複層硝子の使用を建売レベルでも採用され始めたのは今年(2014年)になってからでしょう。
昨年(2013年)10月に新しい省エネ基準が施行され、それからしばらく動きはありませんでしたが、消費税の駆け込みがひと段落して需要が落ち込んでからは、建売住宅でも「長期優良住宅」などの基準を満たすものが出てきました。
そこで建物の断熱性能の目安になるのが硝子です。
硝子まで変えるということは、壁の中の断熱材の性能も高くなっていると考えられるからです。
つまり長期優良住宅ではガラスはLOW-Eになってくると思うので、建売住宅が販売競争の中でようやく改善されつつある問題のひとつが今回のサイディングの変色だと考えます。
したがって、厳密に言えば今でもコスト重視で性能を考えずに家を建ててしまうと、その断熱と気密性能によっては壁の中で結露を繰り返し、下記のような状態になっている可能性があるということです。
断熱材の劣化
これは築20年以上の建物の事例ですので少し大げさだろうと考えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、築10年でもかなり真っ黒になっている現場を実際にこれまでのリフォームで私自身が見てきました。
このような状態で繰り返し寒い冬に暖房をガンガンつけたら外壁にも影響がいくのは明らかです。
断熱材というのは結露の繰り返しで断熱性能が低下するものなので、基本的には建てるときに予算の範囲でできるだけ高性能なものを採用することをオススメします。
キッチンや浴室などの設備はあとでも取替えができますが、断熱改修工事は大規模になりがちなのと性能値を確保するための設計及び施工力が必要になります。
よくリフォームで、「外壁材自体に断熱材が入っているような資材を使用して外断熱にするから断熱性能があがりますよ」なんて言われて施工している方も多くいらっしゃいますが、その類の大半はほとんど意味がありません。
適切な断熱設計と現場施工をすることによりはじめて省エネ基準を満たすものができるのです。
既に対策をしようにもできない方も多くいらっしゃると思いますが、これから新築やリフォームをされる方は最低限のポイントだけはおさえておきましょう。
新築時のポイント
省エネ等級は最高レベルを確保しましょう。
リフォーム時のポイント
断熱改修は設計内容と施工精度がカギ。
つまりあとから変更すると大きなコストがかかるような箇所は、あらかじめ変更をしなくてもいいようにつくることが大切です。