ここでは外壁塗装を軽く考えて飛び込み営業などでコストパフォーマンス重視で契約してしまう方、若しくはどこにどのような基準で選定して頼めばいいのかわからないという方のために、少しでも参考にして頂けたらと思い、外壁塗装によるリフォーム事例を少しだけご紹介します。
外壁塗装は『たんなる外壁の塗替えと思ってはいけません。』
とび込み営業や折込チラシなどによるチラシで見積り依頼してしまうのは一番よくない結果を招きがちです。
【第三者による管理の必要性】
特に塗装工事という業種は、新築としての仕事が急速に減ってしまったので、現在はリフォームの仕事をメインにこなしているという塗装職人さんが多い職種です。仕事がリフォームに偏ると、どうしても新築時のような細かな仕事を忘れがちになります。だからこそ『適切な管理者が必要』なのです。
『当社では外壁塗装もすべて一級建築施工管理技士が施工を管理』します。
建物をトータル的に理解している技術者にしか見れない盲点もたくさんございます。
建物の屋根と外壁は住まいを自然の驚異から守る大切な任務を担っています。
外壁の塗替えをせずに放置する事は、雨の中で傘も差さずにずぶ濡れになっているイメージです。
必要なメンテナンス時に適切なメンテナンスをしなければ、住宅の資産価値も大きく下落してしまうリスクを伴います。折角日々の生活で生活を切り詰めていても、ここで失敗したら高額なだけに通常よりも家計へのダメージが大きくなります。
外壁の塗膜の保護は、その下地を保護する事につながり、下地の下には構造体があるのです。
つまり塗膜の劣化によって構造体まで影響を及ぼす事になりかねないという事。
放置すればするほど、その先々で余計な出費として跳ね返ってきます。
放置して下地に劣化が生じれば、塗装だけのやり換えでは済まなくなりますし、構造まで影響すれば大規模修繕や建て替えという大きな事象につながります。
皆様においては、適切なタイミングで、適切なメンテナンスをして頂きたいと思います。
それでは、これから外壁の塗替えについていくつかご紹介します。
一般的な住宅の外壁には、左官仕上げとサイディングがございますが、それら各素材ごとに塗替えが必要になります。
まずはじめに、「外壁塗料」の種類についてご説明します。
外壁の塗装は大きく分けて4種類もあるって知ってましたか?
①フッ素
②アクリルシリコン
③ウレタン
④アクリル
この4種が一般的な塗料として使用されているものですが、①が一番高くて性能が良く、次いで②>③ときて、④が一番安くて性能が低い塗料となります。
具体的な塗料の性能は次のようなレベルになります。
④アクリル⇒4~5年くらいで塗装の劣化がはじまる。
③ウレタン⇒7~10年くらいで塗装の劣化がはじまる。
②アクリルシリコン⇒10~12年くらいで塗装の劣化がはじまる。
①フッそ⇒12~15年くらいで塗装の劣化がはじまる。
でも塗料の質でこんなにも品質が変わってしまうなんて普通の方はあまりわかりませんよね~
外壁の塗替えというのはリフォーム業界においてももっとも飛び込み営業が激しい業種ですから、何の基準も持たないで、へんな業者さんにつかまってしまい、④のアクリルで塗られちゃったら残念ですよね。
でもこれを見ている皆さんは大丈夫です。
あなたの家は少なくても②のシリコン塗料を使用することをお勧めします。
ちなみに④のアクリルは分譲マンションや分譲住宅によく使用されています。
最近の分譲住宅はほとんどサイディングになってきているので、塗料の心配は必要ありませんが、塗料という部分で心配なのは分譲マンションです。実際に日本でも大手トップ3に入る塗料メーカーさんにお聞きすると、価格の安い分譲マンションは、ほとんどこの④のアクリルを使用しているとのことです。
消費者は見せかけだけにだまされてしまい、というと言い方は悪いかもしれませんが、実際にマンションのような大規模な建築物において早期に塗替えをしなければいけないというのはかなりの金銭的負担がありますよね!
それでもこの数年は品質問題が騒がれているので、少なくとも10年間は持つようにということで、ウレタンやシリコンが使用されるようになっています。ただそこまで購入者が理解してから購入する人はまず無に等しいでしょう。実際に多くの分譲マンションはかなり材料のコストダウン化が図られており、このような外装材から設備や内装まで綺麗に見せる工夫をしつつ、コストは最大限に圧縮しているのが事実です。
特に、足場を組むだけでも膨大な費用がかかるマンションは、少なくともシリコンを使って欲しいものです。住宅でも私が提案する際には、よほどのことがない限りはシリコン塗料で、予算によってフッ素などもご提案しています。
下記は一般的なモルタル外壁に塗装された住宅のメンテナンス事例です。
塗装前の外観(さいたま市)
↑塗装前はこのようにごく普通のお宅です。
既存の外壁はモルタル仕上げにスタッコ吹付け仕上げとなっています。
塗装後の外観(さいたま市)
↑塗装後はこのように生まれ変わりました。
こちらのお宅は道路面はジョリパットで仕上げました。
そして玄関廻りには輸入タイルを張りました。
外構もジョリパット仕上げですので統一感が出てとても高級感のある仕上がりになりました。
このようにジョリパット仕上げは輸入タイルとの併用により各素材力が高まります。
下の写真はALC外壁材に塗装で仕上げられたものです。(草加市)
↑まだ見た目はそれほど劣化が目立ちませんが、既に新築から10年弱となり、よく見ると材料の塗料が劣化している箇所が目立ちました。ALC素材は、材料自体に水を吸い込む性質があるので、塗装面による保護がとても大切です。塗装で保護してあげなければ材料内のワイヤを腐らせてしまうからです。
塗装後の仕上げ状況(草加市)
↑塗装後はこのように綺麗になりました。
中央に色違いのラインを入れました。
続いてサイディング外壁のメンテナンスについてご紹介します。
一般的にモルタル外壁だと塗装の塗替えが必要ですが、サイディング外壁は不要だと考えている方もいらっしゃるようです。
しかし実際にはモルタル外壁以上に早期にメンテナンス時期が到来するのがこのサイディングによる外壁仕上げです。
サイディングは、材料の継ぎ手や「出すみ」「入りすみ」には【充てん材】という特殊素材で仕上げますが、この充てん材は日差しが厳しい部位ですと5年程で既に劣化しているケースもございます。
全体的に考えても10年という期間で考えるのは少し厳しいかと思います。
やはり充てん材の交換を7年程から考えなければならないと考えます。
特に充てん材の交換には足場が必要になりますので、そこで一緒に外壁塗装もしたほうが経済的かと思います。
サイディングの塗装前(川口市)
↑このように写真ではあまり劣化していないように見えないのですが、実際には充てん材部分はほぼすべて劣化していたのと、サイディング素材も手で触ると劣化した塗装が手に着いてしまうという事象がみられました。
サイディング外壁の塗装後(川口市)
↑ほぼ同じ色で塗装したのであまり外観に変化が見られませんが、とても綺麗に仕上がりました。何より充てん材部分を改修できたことがよかったと思います。
充てん材の劣化
↑最後にサイディング外壁の充てん材が劣化して取れている事例を紹介します。
上の写真にて「よこ充てん材」がとれてしまっているのがわかります。
このようにサイディングは見た目が綺麗でも充てん材が先に劣化します。
以上、ここでは一般的な「モルタル外壁」と注文住宅などでよく使用される「ALC」、そして現在主流である「サイディング」についていくつかメンテナンスのBeforeAfterをご紹介させて頂きました。
今回は埼玉県川口市にて当社で行った外壁塗装の事例をご紹介致します。
現場はジョリパット吹付け仕上げの下地にジョリパットフレッシュで塗替えしたものです。
本件は既存の外壁カラーと同じ色での塗替えをご希望されていたので、画像ではあまり美しさの伝達が薄れてしまうかも知れませんが、作業工程やポイントは押さえられると思います。
まずは作業に先立って点検等を行い、必要な修繕箇所と修繕内容を決定します。
そしてその作業計画と見積りを作成提出し、契約してご近所への挨拶廻りを行い、予め決めたスケジュールで作業に着手していきます。
塗装前の建物
既存ウッドデッキの撤去
まず既存の損傷の激しいウッドデッキを撤去し、建物本体の塗装をしやすくします。
外部作業足場
そして外部足場を組み、ここから本格的に塗装作業の準備を進めていきます。
まずは外壁洗浄を行い、養生に入ります。
養生
この養生は、窓廻りや屋根、玄関ポーチのタイルや敷地周辺など、塗装の際の塗料が付かないように行います。
養生後は、下塗りのシーラーを塗っていきますが、シーラーという下塗り材は、作業ペースや天候等を考慮して、その下塗りを施した翌日に中塗りを施工できるように設定します。
そしていよいよ中塗り作業に入りますが、その前にサッシ廻りなどローラーだと塗料が入り込まない箇所を先行して刷毛で塗料を塗っていきます。
このように一般にはダメ込みと呼びますが、満遍なく綺麗に塗料が行き渡るようにします。
そしていよいよ中塗りです
このように同じ色なので、特に上塗りは色の区別が難しく、注意して慎重に確実に全体的に2度塗り出来るようにムラなく塗っていきます。
部分的に足場の段を目安にしてラインを入れながら塗り残さないように工夫します。
上塗りが終わったらたいていはその日のうちに養生を撤去していきます。
塗替え前は雨染みがあったデッキ部も
このように綺麗になりました。
また、ウッドデッキは古くなり危険なスノコを交換し、構造を補強します。
建築設計も業務としているから根拠のある計画をご提案できます。
養生を撤去しながら塗り残しや塗り忘れなどの確認を行っていきます。
また、屋根には木材の破風が使われていたので、既に湾曲し始めてそのまま放置すると大きな工事となり、その出費も大変なので、木材の破風は板金で保護しました。
最後に足場の養生シートを撤去し、視界的に開けた状態になったら再度建物全体の塗装の出来栄えを確認します。
このように見えなくなる建物の裏側も手抜きしません!
正面と同じようにしっかりと色むらなく仕上げます。
建物の外観も養生を外した段階で再度確認を行います。
確認後は足場を解体して作業完了です。
・・・が、今回はまだウッドデッキがあります。
今回は少し寸法を変更したので、基礎を直して現場で木材を加工しました。
基礎に合わせて加工する大工さんの技術も必要なところです。
今回は中庭があったので、そちらのデッキも仕上げました。
中庭のデッキは、構造を補強し、スノコを交換しました。
デッキの塗装も2回塗り、急所は3回塗っているので長持ちしてくれると嬉しいです。
完成後南面
完成後南西面
今回も綺麗に仕上がりました。