屋根のリフォームについて、実際に弊社で行った埼玉県の改修工事をもとに解説したいと思います。
現在一般的に採用されている屋根材はコロニアルというスレート系の屋根材です。
このコロニアル屋根は、新築後10年以上メンテナンスをしていない方も多くみられますが、建物の資産価値を落とさないで長期的に快適な生活を送るためには、新築後7年程で一度目の塗替えをお勧めいたします。
理由はこれまでの現場経験から、10年以上経過してしまうと下地が腐食してしまうケースがあるからです。
コロニアル屋根は、材料が薄く下地材に密着してるので熱によって劣化しやすく、そしてその熱を下地材にも伝えやすいという性質が下地材の劣化を早めます。
また、劣化により雨が入る事例も多く見られ、既に弊社でもその劣化部分をリフォームする工事や屋根の全面張替えの工事も多数施工しております。
コロニアル屋根のリフォーム前
↑こちらの物件は築年数は10年を超えたものになりますが、ご覧のようにかなり劣化が進んでいるのがわかります。劣化の程度は屋根面がどの方位を向いているのか、また隣接状況等によっても違いが生じます。
<埼玉県川口市の施工事例>
下地の劣化状況
↑屋根材を剥したあとの下地材はこのように本来あるルーフィング材が劣化してなくなってしまっているのがお分かりいただけます。こちらのお宅は、屋根直下の天井が勾配天井仕上げとなっており、室内側の断熱材の性能が低く、屋根面において内部結露を繰り返していたことが予測できます。勿論、屋根のメンテナンスを怠ったものも大きな原因のひとつだと考えます。
<埼玉県さいたま市の施工事例>
下地の局部的な腐食
↑このように部分的に雨が入って屋根の下地材を腐らせてしまいます。
このような事象は雨などの外的なものだけではなく、壁内結露による内的なも考えられます。
こちらのお宅は双方の事象が考えられます。
当然このような状況になってからリフォームするよりも、適切な時期に塗替えだけ行ったほうがコスト的にも安く済みますし、何より快適で安心した暮らしができます。
実際に塗替えと全面張替えとだと費用は3倍程変わってくるかと思います。
それだけではなく、「雨漏り」などにつながると、その部位のリフォームまで必要になるのでさらに費用がかさみます。
腐食した屋根の修繕
↑ぼろぼろに腐食していた下地材も補強して構造用合板を張りました。
↑このように痛んでいる箇所の下地材をすべて張替えました。
下の写真は下地のルーフィングを施工した状況です。
↑このルーフィングにも性能に差があります。
コロニアル屋根に使用するルーフィングは高性能なものをお勧めします。
張替え後の状況
施工後はとてもきれいに仕上がりました。
しかし、今回のケースでは少し塗替えする時期が遅すぎです。
このくらいノーメンテで放ってしまうと仕上げ素材だけの劣化では済まずに、「あま漏り」や下地材の腐食などにより余計な予算が膨らんでしまうことになります。
直接目で確認できない屋根は、建物を自然の驚異から守る重要な役目を果たします。
メンテナンス事項の中では最重要項目に入ることは確かです。
最低でも新築後10年以内に塗り替えることをお勧めします。
屋根の塗替え事例をご紹介します。
既存コロニアル屋根(シーラー塗り)
↑写真は塗装をする前に接着力を向上させるため下地材を施工しているところです。
右のほうはまだ施工していない状況ですが、かなり劣化しているのがお分かり頂けます。
本来はここまで劣化してからでは遅すぎます。
<埼玉県川口市の施工事例>
一度塗り
↑このようにシーラーによる下地づくりが完了したら一度塗りを行います。
↑一度塗り完了後の状況
仕上がり
↑すべて塗り終えるとこのようにきれいに仕上がります。
作業としては二度塗りで仕上げるのが一般的です。
コロニアル屋根は10年以内に塗り替えましょう。
瓦屋根の塗装事例
続いて瓦屋根の塗装事例をご紹介致します。
瓦の場合は塗装できるものと葺き替えで対応するものとに分かれます。
ここでは塗装できる瓦材の施工事例をご紹介します。
既存の痛み具合
↑このようにリフォーム前は「こけ」も生えていてかなり劣化が進んでいました。
このまま放っておくと屋根を歩いただけで瓦材が割れるようになってしまいます。
<埼玉県川口市の施工事例>
劣化による釘のゆるみ
↑写真から材料自体の素材が完全に劣化してしまっているのがお分かり頂けます。
棟材を留めている釘も全体的にゆるんでいたり抜けていたりしていました。
下地シーラー塗り
↑接着剤のシーラーを施工したあとの写真です。
屋根は塗装が剥がれやすいので、特にこの接着力が大切です。
屋根仕上り
↑仕上りはこのように新品同様に綺麗になります。
屋根仕上り
屋根仕上り
↑すべて仕上がるとこのようにきれいになります。
瓦の葺き替え事例もございます。
葺き替え時は屋根面に断熱材を入れるとより効果的です。