こんにちは。
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実は今回のサイディングの厚みについては、もうだいぶ前になりますが、2009年12月にも記事にとりあげました。
今回は、その記事がいまだに反響が大きいもので、より新しい価値観を含めて解説したいと思います。
まずは、2008年3月頃から外壁材(サイディング)の厚みが変わっているというのは当時の記事に記載したとおりですが、当時の記事を読むのが面倒な方向けに少しだけ前置きさせて下さい。
サイディングの厚みは、2008年3月以前は12ミリが一般的に最も多く普及していました。
それが国の住宅長寿命化という方針でJIS(日本工業規格)規格が変わり、現在は14ミリが多く採用されております。
ではいったい何が違うの?
14ミリのサイディングは、基本的に下記のように専用釘で固定されます。
↓全体イメージ↓
ちなみに打ち込んだ釘の断面は下記のようになります。
・・・とここまでは12ミリor14ミリのケース。
一方で14ミリより厚いサイディングもあります。
・・・と、このように「12ミリor14ミリ」は専用釘でサイディングを固定する施工に対して、それより厚い「16ミリ以上」のサイディングは専用金具を用いて壁面へ固定する方法が採用されています。
具体的には、12ミリと14ミリのサイディングは専用釘で固定するだけですので、経年劣化を考慮すれば釘の緩みや浮きが生じてきますし、その釘そのものも表面をよく見ると結構目立つので美観的にもマイナスとなります。そして緩んだ部位からは雨水などもしみ込みます。
一方で16ミリ以上のサイディングは、専用金具で内部固定するため、表面に釘が出ることがなく経年的な緩みや浮きが生じにくく、美観的にも美しさを保ちやすいという特徴があります。
当然それら14ミリと16ミリのサイディングは価格差がございますが、一生に一度の買い物と考えたならば、そこは乗り越えなければならない山場だと考えます。
そして最後に現在は取り扱いがありませんが、過去の物件(2008年3月以前)のメンテナンス等でお悩みの方向けに12ミリの解説を簡単ですがさせていただきます。
まず12ミリは多少14ミリの解説に重ねたように基本的には14ミリと仕組みは同じです。
しかし、厚みが薄い分、通常より外壁下地の歪みや商品自体の変形に追従できずに壁が波打って見えたりといった不具合が多く見られます。
実際に近所をちょっと散歩しただけでもそれらの症状は結構存在します。
そして色あせやカビもよく見られますが、その中でも内部との温度差によって壁体内結露からきているだろうと推測される劣化現象も深刻な問題です。
既に住宅の省エネ基準の新たなスタートが昨年(H25年10月1日)に施行されましたが、まだ現在は経過措置としてH27年3月31日までは住宅のH11年省エネ基準を用いることも出来ています。
少し話をそらしてしまいましたが、要するに断熱性能が低いということは、それだけ温度差による壁体内結露などの可能性も高まりますし、そうしたことで外壁材までその影響が及んでしまうケースもあります。
以上により、サイディングの厚みによる問題点と内部結露による問題点を取り上げましたが、実は他にも構造躯体の乾燥収縮による歪みやサイディング下地自体が歪んでしまうことによってそれがサイディングに波打って現れたり隙間が生じたりというケースにつながる場合もございます。
大切なのはこれらの問題を適切に発見して処置をすることです。
そこには現場経験豊富な技術者が欠かせませんので、上記のようにサイディングの歪みや隙間、コーキングの劣化、カビなどでお悩みの方は、単に塗り替えれば済むなんて安易な考えで行動せず、適切に技術者の診断を受けましょう。
以下は2009年12月にアメブロで書いた記事になります。
さて、さっそくですが、去年の3月から外壁材(サイディング)の厚みが変わりました。
サイディングは、こうして見ると綺麗な仕上りですが、以外な落とし穴に注意が必要です。
以前は12ミリが一般的に多く使われていましたが、現在は最低厚みが14ミリとなったのです。
なぜ最低厚みが2ミリも増したのでしょうか?
背景には国の方針で住宅の長寿命化ということで、JIS(日本工業規格)の規格が変わったことがあげられます。
しかし、現実的には厚みを増すこと=長寿命になるとは言いきれません。
みなさん、サイディングはメンテナンスの必要がないと思っている方が多いようですが、実は塗装吹き付けの外壁よりもメンテナンス時期は早くやってくるケースも多々あるのです。
サイディングの施工は、一般的に1間半(2730ミリ)間隔にてジョイントが入り、そのジョイント部分にコーキング材が注入されています。
過去のコーキング材は使用場所によっては3年ほどで劣化が始まる部分もあり、長くても7年もすればかなり痛んできます。
コーキングの劣化により、考えられるデメリットは、劣化部分からの雨水の浸入などです。
それによる雨水の浸入は、生活している中では感じることが出来ないケースがほとんどですので、知らない間に建物の壁体内に雨水が侵入して腐食を進行させているケースもあります。
サイディング本体もその性能によって永久ではなく、むしろ過去に多く流通しているサイディング材は少なくとも7年以内に点検を行い、コーキング部分のメンテの検討を行い、場合によっては表面の劣化具合にて本体塗装などの必要性が生じてきます。
しかし、問題なのはサイディング本体よりも先にコーキングの劣化がやってくるということなのです。
本体の見た目がまだきれいだから大丈夫!
そう考えるのが素人的な発想ですが、実はコーキングの修繕は現在の品質においても10年に一度は必要なのです。
たまに住宅街でコーキングが劣化して部分的に取れているお宅を拝見しますが、そうなってしまってはもう手遅れに近い状態なのです。コーキングの打ち換えの際に接着不良を起こしやすくなります。
私はこのサイディングにおいては、コーキング部に加えてもう一つ大きな問題があると考えています。
それはサイディング本体の歪みです。
それこそ車で5分くらい見回るだけでも何件か発見できるほどこのサイディング本体が歪んでいるお宅をよく見かけます。
誰もサイディングの歪みのことを言いませんが、皆さんも築10年程度のサイディング張りの建物の外壁を注意してよく見て頂ければおわかり頂けると思いますが、よく見ると一般的なサイディング材は縦45cm、横273cm程度の大きさで張られていますが、その一枚一枚が歪んでいるのに気が付くかと思います。
我々プロの目で見るとスグにわかるのですが、素人目ですと多少分かりにくい部分もあるかもしれません。
でもよ~く見て頂けるとかなり波打って歪んでいる事がおわかり頂けます。
ひどい場合は外壁材(サイディング)の張替えが必要になりますから、そうなるとかなりのコストが必要になります。おそらく今後この問題点は一般的なものとしてメンテナンスの項目として挙げられるものと思われますが、12ミリのサイディングを外壁に使用されている方は、一度点検されることをお勧めします。
場合によっては12ミリ以上のサイディングでも歪みは見られます。
現在の「光セラ」という比較的高価なサイディングを使用しても、コーキングのメンテは10年に一度必要ですから、そのタイミングを大切にしてご自身のお住まいをお守り下さい。
サイディングは、その性能や工法によってメンテナンス時期や方法が大きく異なりますので、既にご自宅に使用されている方は、ご自分の家にどのような性能のサイディングが使用されており、そのメンテナンス時期と方法をしっかりと把握しておく必要があるのです。
そしてこれからマイホームを建築される方は、サイディングの性能をよく施工店に確認したうえで納得して採用するようにしましょう。